今年は東日本大震災から15年の節目の年となりました。
遠く離れたこの浜松の地でも感じたのあの不気味な揺れは記憶に残っています。
何よりあの地震では津波の恐ろしさを目の当たりにして、沿岸部に住む私も決して他人事ではないと痛感しました。
先日、地元で進められている津波被害を防ぐためのインフラの工事現場を見学してきました。
太平洋(遠州灘)に面する浜松市では、予測される南海トラフ地震の津波被害から守るための防潮堤工事が進んでいます。
今回見学した馬込川水門はこの「最終章」となるものです。
浜松市沿岸域津波対策として、高さ15m、総延長17.5kmにわたる巨大防潮堤が建設されました。(令和2年度に完成)


西は浜名湖今切口
東は天竜川河口
しかし、ひとつ未完成な部分がありました。
それが中田島砂丘東側にある馬込川河口部分です。

出典:静岡県浜松土木事務所
この切れ目から津波が遡上してきたら浜松の町はひとたまりもありません。
津波被害からの減災を目的に作られているのが馬込川水門です。
今回、水門本体は完成しているというタイミングで現地見学会に参加してきました。
地元のお客様より情報や写真はいただいていたのですが、なかなか行く機会がなくやっと、やっとです。
現場に隣接するインフォメーションセンターで水門の役割や工事概要の説明

30人ほどのグループごとに水門へ

すぐ先は太平洋との合流点

水門本体が完成したので、”川底”に入ることができる最後のチャンス!

これが水門の全容です

水門幅は90m(30m×3門) 操作室は20mの位置にあります。
カーテンウォール天端は標高8m。

高さは8mですが、この水門にはレベル2の地震(千年から数千年に一度 M9クラス)に耐える強度があるそうです。
地中では長さ30mの鉄の杭200本が水門を支えています。

そして圧巻なのは津波の遡上を防ぐこの鉄製扉

重量は約270トン。
通常はこの位置にありますが、地震発生時には(自動で)わずか3分ほどで下降し流れをせき止めます。
この巨大扉は、工場から陸送するには重すぎるため、20数個に分割して運搬し、現地で組み立てや溶接が行われました。
工事の様子などは動画で公開されています

せき止めた時には丸い穴からこの扉に水が入り、さらに強度が増すそうです。
水門本体の見学後、”足腰に自信のある人限定”で操作室へ
(平均年齢高めでしたがほとんどの人が上っていました)


らせん階段から見えたのは懐かしの江之島水泳場の観客席(隣には温水プール)
いずれも現在は利用されていませんが、私の子ども時代から高校までの水泳人生はここに詰まっています。(たいして泳げませんが・・・)
操作室内部

水門を動かす太いロープも間近で見られました。
ゲートを動かす設備的なものがここにありますが、実際には市内数か所から遠隔で水門の操作はできるようになっています。
天井の木材が土木施設にしてはオシャレだな~と思いましたが、これは建物を軽量化するための策なんだとか・・・

とても丁寧でわかりやすい説明をしていただき見学は終了です。
水門本体の工事はほぼ完了し、今後は水門と既に完成している防潮堤との接続が進められていきます。

これが接続されると天竜川河口から浜名湖今切口まで17.5kmが1本でつながります。
歩こうが、走ろうが自由です(笑)
また管理棟の建設も進行中です。

すべての工事の完成は令和9年度の予定です。
工事の情報についてはこちら