当ブログでは、実際に届いた迷惑メール(主にフィッシング)をご紹介しています。
昨年末から今年明けにかけて社長をかたって社員にLINEグループの作成を求めるフィッシングが出回りましたが、2026年のGW明けから再び出回っています。
今回は個人のQRコード提示を求めるのが特徴。4例をご紹介します。

フィッシングメールとは
フィッシングは金融機関やネット通販サイトなど有名企業を装ったメールを送り、偽サイトに誘導させる犯罪です。
メール内にあるリンクをクリックすると本物そっくりに作られたログイン画面が表示され、そこにアカウントやパスワード、クレジットカード情報などの個人情報を入力させることで、金銭を盗み取ることが目的です。
LINEのフィッシングでは、詐欺の入口として、グループの作成または個人のQRコードを求めてきます。
いずれもプロバイダーメールに届いたものです(迷惑メールすりぬけ)
フィッシングメール事例
送信元:社長名 <xiao@hidvfcn.**>
*会社名*
お疲れ様です。
今後の業務連絡をLINEで行うため、個人LINEのQRコードを本メールアドレス宛にお送りいただけますでしょうか。
QRコード送信後、順次LINEに追加し、業務連絡はLINEで行わせていただきますので、よろしくお願いいたします。
*会社名*
*社長名*
※ドメイン末尾のcnを伏字にしています。

年初には添付ファイル(文書を画像化したもの)がありましたが、今回はシンプルなテキストメールです。
Outlookの通常の受信フォルダーに入っていました。
社長名の漢字も間違っていないし、企業名は法人格も含めた正確な表記です。
送信元:社長名 <largemost****@outlook.com>
*会社名*2026年5月7日
社員の皆さんへ
お疲れ様です。
業務連絡を円滑に進めるため、各自のLINE QRコードを提供していただきたくお願い申し上げます。以下の手順でご対応ください。
ご自身のLINEアプリでQRコードを表示
そのQRコードをスクリーンショットまたは画像として添付
までにこのメールに返信で送付
ご提出いただいたLINE情報は、業務連絡および緊急時の連絡の目的に限り使用し、社内で適切に管理いたします。
*会社名*
*社長名*
※ドメインの一部を伏字にしています。

差出人のメールアドレスはフリーアドレスであるoutlook.comが使われています。
連休最終日から連休明けの朝にかけて連続して指示メールが届きました。
これら2通の送信元が同じ組織かどうかはわかりません。
送信元:社長名 <webmaster902@w1mail.***>
業務連絡方法変更のご案内
お疲れ様です。
本メール受信後、今後の業務連絡の効率化を目的として、
ご自身の個人LINEのQRコードを本メールアドレス宛にご返信いただきますようお願いいたします。
ご送付いただいた後、順次LINEにて追加させていただき、
今後の業務連絡はLINEを通じて実施いたします。
*社長名*
※ドメイン末尾のcnを伏字にしています。

4つ目のパターンです。
送信元:社長名 <lewislisaozzeb****@gmail.com>
*会社名*
お疲れ様です。
今後の連絡用として、
LINEグループの作成をお願いします。
グループ名は本社名にしてください。
LINE WORKSではなく通常LINEを使用してください。
作成時点では私の追加は不要です。
財務部の方を1名先に追加してください。
作成後、QRコードまたは参加リンクを
メールで送付してください。
私がグループ参加後、
他メンバーの追加は私の方で行います。
以上、よろしくお願いいたします。
*社長名*
※ドメインの一部を伏字にしています。

こちらのメールはGmailが使われています。
LINEの指示がより細かくなり、「財務部」を指定するなどの特徴があります。
出金の権限を持つ「財務部」を指定し、送金させようとしていることが明らかです。
このようなメールをきっかけにLINEでのやり取りが進み、最終的に社長の指示からと信じて企業口座からの一度に数千万単位を送金する被害が発生しています。
フィッシングの防衛対策
送信元(差出人)アドレスをチェック
このメールは送信元のアドレスを見れば確実に判別できます。
差出人の名称だけを信用せず、不自然なアドレスが埋め込まれていないか確認するようにしましょう。
LINEへの誘導は詐欺を疑う
最近のニセ警察官詐欺、SNS投資詐欺・・・いずれもLINEへの誘導が被害への入口になっています。
今回のメールでは「ワークグループ作成」「個人のQRコード提示」のいずれかが求められていますが、うち3つは「個人のQRコード提示」となっており、手軽に返信してしまう危険性が高まっています。
送信する前にまずメールの内容が本物かどうか疑うところからはじめましょう。
周囲に相談する
詐欺被害のニュースを見て「振り込む前、あるいは何回も送金する間に誰にも相談しない」というのが被害を拡大させる要因にもなると思っています。
また、大企業よりも送金の判断が少人数に委ねられる組織での被害が目立ちます。
規模の違いはあれ、社長に直接確認する、あるいは部署内で「こんなメール来てるんだけど?」と共有するだけで被害は確実に防げるはず。
LINEでのやりとりが出た時点で、必ず誰かに確認、相談しましょう。
新たなメールが出ては被害が発生し、その手口が報道されると沈静化。
その数か月から1年くらいで再び同じ手口(または巧妙化したもの)が再発。
こんなことが繰り返されているように思います。
「災害は忘れた頃にやってくる」というのはフィッシングにも言えることです。
ご注意ください。